活用事例 DO 活用事例

学校・企業・動物園・水族館など様々な場所で活動をしているProject WILD指導者の活動事例をご紹介します。

学校・幼稚園における事例保育園・幼稚園地域・企業における事例地域活動動物園・水族館 の活用事例

ファシリテーター

山﨑 啓さん

活動場所沖縄県 沖縄美ら海水族館

見たかったのは、子供たちのこの笑顔でした。

♠ 自己紹介

♠ 所属

一般財団法人 沖縄美ら島財団 水族館事業部海獣課イベント・環境学習担当(2020年3月現在)

沖縄美ら海水族館で環境教育を担当しています。今回ご紹介したようなプログラムの企画・広報・実施を行っています。人と自然を繋ぐ仕事に就きたいと思い、現在その難しさを楽しんでいます。

♠ Project WILD保有資格

 Project WILD本編・水辺編ファシリテーター

 Growing Up WILDファシリテーター

 Project WILD鳥編エデュケーター


第60回日本動物園水族館教育研究会柏大会で、ポスター発表「保育園職員と創る未就学児専用動物観察会の実施事例」を行い、最優秀ポスター賞をいただきました。

このような賞をいただけたのも、一緒に企画を練って下さった保育園の先生、そしてProject WILDを通じて出会った方々のご指導のおかげです。活動事例の情報共有が一番のお礼になるかと思い、簡単にですが紹介させていただきます。

 

☆日本動物園水族館教育研究会での発表要旨は こちらから ご確認ください。


活動報告「保育園職員と創る未就学児専用イルカ観察会の実施事例」

活用したアクティビティ:アリの行進、バッタの世界

 

♠ 目標

未就学児が能動的に学習できるプログラム開発を目的に、未就学児のみを対象としたイルカの観察会を保育園職員の方とともに企画しました。遊びやイルカの観察を通して自然や生きもののことを知るきっかけ作りを行い、さらにその中で「友達と相談する」、「見たものを言葉や体で表現する」、「ゲームをやりきる」といった協同性、思考力、自立心を育むことを目標としました。

 

♠ 活動回数 :3回

♠ 実施時間 :90~120分(休憩10分)

♠ 参加者 :2歳児クラス18名、3歳児クラス28名、4歳児クラス27名

♠ 参加者数:(各1回、付き添いの先生は4~6名)

 

♠ 用意するもの

□ なりきりプレート(イルカの尾鰭やウミガメの胸鰭等、動物の体の一部を模したプレート)

□ パズル(頭、胴体、尾鰭等、体の部位ごとのパーツに切り抜いたもの)

□ スプーン

 

♠ 準備

保育園の先生とのミーティング(実施時間以上のお時間をいただきました)

□ 目標の確認(保育園教育要領「育って欲しい姿」〔厚生労働省〕参考)

□ プログラム内容の相談(年齢に合わせた内容を相談)

□ 安全確認(危険個所や児童の性格等を確認)

 

♠ 実施内容

本観察会では、当館で飼育しているイルカ類やウミガメ類を教材とし、生きものの観察に加え、導入にクイズや実験を行い、観察後にダンスやパズル等を行いました。実験では骨伝導を体験し、ダンスの際には、各動物の体の一部(尾鰭や胸鰭)を模したプレートを用い、生きものの模擬体験を多く取り入れました。

 

□イルカダンス

イルカがどのような泳ぎ方、ジャンプの仕方をしていたのかを子供たちと一緒に振り返りながら、音楽に合わせダンスを行いました。先生や飼育員の掛け声に合わせ高くジャンプしたり、泳ぐ速さや方向を変えたり、見事なイルカの群れが出来ました。なぜか1頭ウミガメが混じっていました。

画像提供:国営沖縄記念公園(海洋博公園)

 

□イルカパズル

生きものの体の形に着目してもらえるよう部位毎にパーツを分け、6人1チームで行いました。相談したり、けんかしたりしていました。

※ダンスやパズルが上手にできた子(自己申告制)には、サプライズでオリジナルのステッカーや缶バッチをプレゼントしました。(その場で配ると嬉しさのあまりパニックになります。)

画像提供:国営沖縄記念公園(海洋博公園)

 

♠ Project WILD(Growing Up WILD)を活用した理由

水族館の魅力として、まず挙がるのは実際に生きものが見られることだと思います。“生きているもの”そのものが放つインパクトは非常に強いものです。ですが、そこから、自分自身を含めた「人間」と「周りの生きものや自然環境」との関係性に気づくことは容易ではありません。特に対象が未就学児の場合、受動的な学習になることが多く、その課題を解決するためにProject WILD(Growing Up WILD)を導入ました。アクティビティが体系だっており、模擬体験を軸に組まれた内容は、今回のプログラムにばっちりと“ハマリ”ました。

 

♠ 実施後の感想

私の文章力では伝え切れないのが悔やまれますが、子供たちの笑顔と瞳が輝いていたのが印象に残っています。クイズやパズル等、難易度が高いと思われたものも、熱心に挑戦し、クリアしていく姿は先生方も驚いていました。子供たちの好奇心の力と博物館教育×情操教育の相乗効果は“大人たち”の想像を超えていました。

 

♥ 海洋博公園・沖縄美ら海水族館HP
  https://churaumi.okinawa


 

 

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